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第210話

今回は稀城さんと望月くんと共演。 僕の過去を知っている二人はどんな気持ちで僕のこと見るんだろう? …きっと何でもないように接してくるんだろうな 今回の映画は原作が好きで何度も読み返した作品だからとても楽しみだった。 久しぶりに休みだった十夜に送ってもらい現場に到着した 最近よく一緒になるスタイリストの子が駆け寄ってくる 「お疲れ様です。華稜院さん」 「宜しくお願いします…」 いつものように挨拶をしようと目線をずらす…そして…そこにいないはずのあの人の姿をとらえ息を飲んだ 何で?どうして?いつ戻ったの?何でここにいるの? もう心の整理はついたはずだった…過去の人になったはずだった…なのに…思いの外胸がざわつく… 「急きょ桜庭がこれなくなってしまって…今日は相馬さんが担当になります。 桜庭の代わりができる方が相馬さんだけだったので…」 震える声を押さえながら挨拶をする 「そうなんですね。宜しくお願いします」 うまく笑えているだろうか? 震えそうになる声は押さえられただろうか…

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