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第215話
浴室で激しく俺を揺さぶるカイに身を預け喘ぐ。
今日会った朝陽さんの姿を少しでも追い出したくて…
久しぶりに会った朝陽さんはやっぱり綺麗で儚くて…
やっぱり好きだと思った
でも…あの人の中で俺はもう過去の人になっていてあの人の目には神楽坂先輩が写っている…
ここが浴室で良かった…
後から後から流れ出る涙に気付かれなくて済むから…
カイの腕の中で朝陽さんを思う自分の身勝手さに震える
カイは朝陽さんを好きでいいと言っていた…
自分のことは好きにならなくても良いと…
でも…それはカイの優しさだってわかってた…
抱かれる度にカイの想いを全身で感じていた…平気なはずない。
平気でいられるほどカイは強くない…
よくわかってた…
わかっているのに俺はそれを利用している。
自分のズルさが苦しい
ごめんね…カイ…でも…側に居させて…
カイと同時に果てる。
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