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第267話

カイside 今日は星夜が帰らないかもしれない… 不安でしょうがない…仕事の間だけでもその事を忘れたくて没頭する ゲストも切れること無く来てくれたため余計なことを考えずに済んだ 夕方になり店が回らなくなったためヘルプを呼ぶことにした 蓮華に連絡すると直ぐに来てくれた 蓮華と顔を合わせるのは久しぶりだった 顔色も良く見慣れた人懐っこい笑顔に安堵する。 会ったら苦しくなるかもしれないと思ったが俺もだいぶ落ち着いてきていたのだろう。 取り乱すことはなかったし苦しくもなかった 自分の笑顔が自分では無いような感覚だったのが気持ちと表情がやっと一致した瞬間だった 良かった…俺…笑えてる… これもずっと星夜が側にいてくれたお陰かな…と思うと自然と顔が綻んだ 問題なく閉店を迎え閉店作業を済ませた 「蓮華。急だったのにごめんね。すごく助かったよ」 「良かったです」 キャスト全員を返し今は蓮華と2人で話していた お店の模様替えのことや今後の新メニューのこと。新衣装やイベントのこと 蓮華のアイデアはいつも斬新で蓮華の考えたものであれば必ず高評価を貰えていた 「今度こんなので行きませんか?」 今回も良さそうなアイデアだった 「いいじゃん。これでいこっか。明日みんなに落とし込むよ」 「明日も俺来れるから俺から話しますよ」 「助かる。ありがと」 「てんちょ。もうこんな時間ですけど帰らなくていいんですか?相馬さん待っているんじゃないですか?」 「今日は帰れないかもって行ってた。一応連絡してみるね…あ…充電切れてる…」 「じゃあ急がないと…」 「そだね」 立ち上がったとき足がもつれてしまいソファに蓮華を押し倒したような形になってしまう 「うわっ…ごめん…」 立ち上がろうとすると蓮華が俺を抱きしめてくる。 「どしたの?蓮華」 「店長…」 珍しく真面目な顔で見つめてくる蓮華に何事かと思っていたら、体を反転させられる。蓮華が押し倒しているような形になり唇を重ねてきた 「蓮華?」 「カイさん…俺じゃダメですか?」 「え?」 「俺が隣にいてはダメですか?俺があなたを守りたい…」 まっすぐ射抜くような視線に言葉を失う 「俺は相馬さんと比べれば頼りないかもしれない…でも…あなたの気持ちはわかってあげられるつもりです…相馬さんは…華稜院さんの元へ返してあげたほうがいいと思います…」 考えないようにしていた現実を突きつけられ涙が滲む… 「ねぇ…カイさん…俺だったらそんな顔させないよ…俺にはカイさんだけなんだから…」

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