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第268話
カイside
蓮華の言葉に涙が溢れた…
その涙をそっと拭ってくれ蓮華は再度深く口付ける…
「蓮華…ごめんね…朝陽君の元へ星夜を返してあげないとならないことはわかってる…でも…俺は…まだ星夜から離れたくない…辛い思いする時は必ず来ると思う…でも…星夜が側にいてくれるまではその腕の中にいたい…本当は朝陽くんに返したくない…今はまだ…だから…側にいさせて?」
誰に願っているのかわからない…でもただただそう願っていた。
蓮華はとても辛そうな顔をした
「分かってます…カイさん…もしその時が来たら俺迎えに行きます…俺待ってます」
「ありがと…気持ちだけ受け取っておくね…蓮華にはもっといい人いるよ。こんな弱い自分勝手な俺なんかよりずっと…だから…待たないで…」
「っ…じゃ…諦められるように…俺を抱いてください…」
「それは…」
「一度でいい…一度でいいから…」
「わかった…」
蓮華が欲しいものはあげられない…ならば…少しでも…先に進めれば…そう思い蓮華を抱こうとそっと口付けた。
蓮華が薄く唇を開く。深く深く口付ける…
次第に甘い吐息を浮かべた蓮華の服の隙間から手を差し入れる…そっと腹部を撫で上げる…
「んっ…」
「感じやすいんだね…蓮華…」
「だって…カイさんだから…あっ…」
胸の尖を指先で弾く
「カイさん…」
服を脱がそうと蓮華の状態を上げた時物音がした…ハッとしてソファの隙間から覗き見る…押し倒されたままの状態では誰なのか覗き見ることはかなわない
心臓が五月蝿いくらい鳴る…まさか…そんなことは…
「相馬さん…」
顔面蒼白にした蓮華が固まる…星夜が…何で…
「ごめん…連絡取れなかったから心配になってここまで来ちゃったけど必要なかったみたいですね。じゃ、お邪魔しました」
星夜…待って…声が出なくて唇が震える…
「相馬さん!待って!」
蓮華が後を追いかけようとするが星夜が走り去る足音がした
放心状態のままで蓮華の服の裾を強く握りしめていた
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