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君が幸せでありますように。16

それからはカイさんは幸せそうに笑っている日が増えてきた 会う度惚気話を聞かされる それが微笑ましくもあり切なくもあった 結局ずっとカイさんのことが好きでこの気持ちだけは変わらない。いつか他に現れるんだろうか? でも…まだ好きでいたい 相馬さんの仕事が忙しくなりそれに伴って自然とカイさんと一緒に過ごすことが増えてきた そしてカイさんの表情にも変化が見えてくる 「カイさん。溜め息なんてどうしたんですか?喧嘩でもしました?」 「してないよ。相変わらず歯の浮くような台詞言ってくる」 「いいじゃないですか。相馬さんに言われると凄そうですね。俺でも悶えそう…」 「似合い過ぎてて笑えるよ」 「なら何で?」 「幸せ過ぎて怖い…ってやつかな… 最近ね…朝陽くんをテレビとかで見ると…やっぱり朝陽くんの隣に星夜がいないことが…ね…星夜の隣が俺って…なんか違う気がするんだ…星夜の隣は朝陽くんがしっくりくるって言うか…」 「カイさん。自信を持ったらどうです?相馬さんはちゃんとカイさんの事想ってますよ?」 「蓮華…」 「はい」 「俺さ…お前といる方が楽…頑張らなくていいって…思えるから…」 「俺はいつでも歓迎ですよ」 「ばぁか…」 「えぇ。バカですから。惚れた弱味ってやつです」 「お前いい男なのになぁ…何で俺なんだろ?意味わかんない」 「意味なんていります?」 意味なんてない。好きで好きでたまらないだけ。カイさん以外考えられないだけ…

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