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宵闇の向こう側…37
一通り話終わった保科さんが優しく見詰めてくれる
「あ…あぁ…っ」
また止まったはずの涙が流れ落ちる…
「なずな…俺は…お前に酷いことをしたのに…そんなことして許されるわけないのに…やっぱり…お前の側にいたい…俺じゃダメか…?」
「保科さんっ…っ…」
「なずな…お前じゃなきゃイヤだ…お前は?俺じゃなくててもいい…?」
不安そうに保科さんが顔を歪ませた…
目の前で不安そうにしている愛しい人を抱き締める…保科さん…僕でいいの…?
「お前がいい…」
僕の脳内が見えちゃったんじゃないかと
錯覚する。
抱き締める力を強くして保科さんの胸に顔を埋めた
「保科さん…僕…もっと汚れちゃったよ?それでもいいの?」
「お前は汚れてなんかない…」
「僕は僕一人を求めてくれないとイヤだよ」
「うん」
「僕…すごく重たいよ?」
「うん」
「どんなにイヤだって言われたって離れないよ…」
「うん」
「僕はっ…」
「なずなの全てが好きだから…どんななずなでも…だから…俺の元に帰ってきて…」
「うんっ…うんっ…僕はあなたの側にいたい…いさせて?」
二人で涙を流しながら深く口付けた
「なずな…愛してる…」
「っ…保科さんっ…僕も…っ…」
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