427 / 690
あなたに会えたから 40
次の日の朝早く部屋のドアが開く
「おはよ。桔梗」
まだ微睡みの中にいた俺にそっと近付き額にキスを落とした
「ん…おはよ…」
「ごめんね。早過ぎたね…もう少し寝てな」
「ん…」
いい匂いが鼻をくすぐる。ゆっくり起き上がりリビングへ行くと朝食が用意してあった
「おはよ。ありがと…こんなに沢山」
「会いたくて早く来すぎたから時間あったしこれくらい何でもないよ。顔洗っておいで」
「ん…」
「…寝起き可愛い…」
「ん?なに?」
「何でもないよ」
莉音が用意してくれた食事を食べ終え片付けをして二人で並んでソファに座る
ずっと見たかった映画を一緒に見た
「ねぇ…莉音…」
「ん?」
「俺のこと好き?」
「何?急に?」
「最近言ってくれないから…」
「好きだよ」
「じゃあ…何で昨日は夕燈さんとホテル街にいたの?」
「…ホテル街?…あぁ!あの道の先に夕燈さんの店があるからその道通ってた。何?疑ったの?」
「だって…すごく距離近かったし…仲良さそうだったし…それに…俺には…手を出してくれないし…」
「え!?それ気にしてたの?」
「するよ…俺だって男だよ?やっぱり美人の方がいいのかなって…」
「お前はぁ…俺がどんだけ我慢してると思ってるの?」
「だって…」
「可愛過ぎ…俺はお前のことが好きすぎて…びびっちゃって手出せなかったの。お前がどっちかもわかんないし…色々…心の準備が…さ…」
「俺は…莉音になら何されてもいいくらい大好きなのに…」
「バカっ…そんなこと言ったら止まれない…」
「いいよ…」
「くっそっ…何?殺しにかかってる?」
「え?」
「そんな潤んだ目で見詰めるなって…ごめん…もう無理…」
「うわっ…急に抱えないでよ」
姫抱きにされて寝室へ運ばれベッドに縫い付けられた
「もう…我慢できないから…覚悟してて…」
その日初めての…とても幸せな気持ちに包まれた…
「はぁ…莉音…がっつきすぎ…立てない…」
「お前が可愛いのが悪い…どれだけ我慢したと思ってるの?」
「今度は俺に抱かせてね」
「わかった」
「莉音…大好き…」
「俺も…愛してる…」
あなたに会えたから今こうしてここにいられるよ。
あなたがいなければ俺はこんな風にはなってなかった…
初めてあの場所で出会って…会えなくなって…泣いた日だったあった…
再会して苦しい思いもした…でも今こうしてあなたといられる…
俺の道標になってくれた人…俺の大切な人…これからも一緒に…
あなたに会えたから…俺はとても幸せです
fin.
桔梗編。完結です。
ともだちにシェアしよう!