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あなたに会えたから 38

それからは莉音の家に行くことも増えたしデートだって何度もした 莉音は何もかもがスマートで…それも良く似合っていた 付き合い始めてもうすぐ三ヶ月 手を繋いだり抱きしめたりキスをしたり…でもそれ以上は無くて…不安になる やっぱり俺じゃダメなのかな… そんなとき夕燈さんを見掛けた。隣には莉音がいて…笑ってた… 見掛けた場所はホテル街に続く道… あぁ…やっぱり…そういうことか… 二人はお似合いだな…すれ違う人たちも二人を見ながら顔を赤らめたりひそひそ話したりしている。 やっぱり俺じゃダメだったんだ… 苦しい…苦しくて涙が溢れた… 「霞くん?どうしたの?」 「華陵院さん…」 「こっちおいで…」 人目が少ない喫茶店へ連れていかれた 「どうしたの?」 朝陽さんには莉音と付き合っていることを話していた。夕燈さんが婚約者だったことも 「今…ホテル街に…莉音と…夕燈さんが歩いていくのが見えて…俺付き合ってから一度も手を出されてないんです…だから…夕燈さんがいるからなのかと…」 「あぁ…それ違うと思うよ」 「え?」 「僕もね高校生の時あの道兄さんと歩いていたんだ。あの先には兄さんが経営しているお店がある。あの道は近道なんだ。その時もせいくんに勘違いさせて一度別れてるんだよね」 「そうなんですか?」 「うん。今電話しても出ないよ。兄さんも先輩も。兄さんは家の決めごとででないし、先輩は仕事の鬼だから仕事の時は出ない。一緒にお店いってみる?そしたら勘違いだってわかるよ。だって兄さんは今お付き合い始めたばかりの人いるから。兄さんは特定の人がいればその人だけだから」 「いえ…大丈夫です。ありがとうございます。何か不安になっちゃって…」 「先輩は本当に罪作りだよね…そこは変わらない…高校時代もそうだったよ」 「そうなんですか?」 「先輩は無自覚なんだけどね…誰にでも優しいし告白されても気付かないほど鈍感だし…高校時代にお付き合いしていた人も何人かいたけどそういうとこあるからなかなか続かない。ちゃんと好きなのにどんなときも変わらないからみんな不安になってしまって別れを切り出される。でも止めることもしないから…」 「なんか…わかる気がします。多分今俺が別れるって言っても素直に応じるんだろうな…」 「それはどうかなぁ?次はいつ会うことになってるの?」 「明日俺の家に」 「そっか。霞くんは素直な子だけど甘えるの下手だよね…たまにはわがままいってみたら?それもいいと思うよ」 「でも…」 「やってみて。先輩もうれしいはずだよ」 「頑張ります」

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