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大切な人だから 1
「彩芽さんおはようございます」
「おはよ。せいちゃん。相変わらず男前ね」
「彩芽さんこそ今日も綺麗です」
可愛い子達を変身させて送り出すのが大好き。
私は昔から可愛いものが大好きだった。
母は女の子が欲しかったけど私は生物学上では男。でも母に良く似ていて周りからは可愛い可愛いとちやほやされていた。
私は自分が女の子だって疑わなかった。
だって母がそう言い続けたから。
自分が女の子じゃないと気付いたのは小学生の時でそのせいでいじめを受けたことだってあった。
でも私はそれをいじめだなんて思ったことはない。バカだと罵られれば誰よりも勉強したし気持ち悪いと詰られればそれをそのまま自分の個性にした
私は誰よりも努力したし誰よりも強くありたかった。
母は精神を病み私は施設で預かられることになった。
成長していくにつれて隠せない男の骨格に我慢が出来なくなった故のことで母には申し訳なかった。
母がいつも誉めてくれていた勉強はずっと手を抜かなかった。
お陰ですぐ引き取り先がみつかり勉強も十分過ぎる環境でできた。
私は元々凝り性で少しでも興味を持ったものは全て突き詰めないと気が済まない
気づけばやたらと多くの資格をもっていた
その中には医師や弁護士なども。皆そのどちらかに行くと思っていたようだけどその道には行かなかった。
義父は激怒し私を閉じ込めようとしたけれど唯一の友人である蘇芳和海が逃がしてくれた
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