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揺れる 11

使用人の人たちが用意するものかと思っていたけれど父がどうしても自分がやりたいと言ったので家族総出で厨房にいる。 華陵院家は皆がすべてのことを一人でも出来るよう教育されるため料理や洗濯なんかも全く難はない。 手際が良いのであっという間に準備が整った 「さぁて。はじめましょうか」 「朝陽。体調大丈夫か?」 宴会も中盤。久しぶりに十夜と話す 「十夜。大丈夫だよ。ありがとう」 「まだ安定期にも入ってないんだから無理すんなよ?」 「うん。夕兄さんはどう?」 「相変わらず…」 夕兄さんを見ながら十夜が柔らかく微笑む。 視線に気付いた夕兄さんがにこにこしながら手を振っている。 「はぁ…可愛い…」 十夜のこんな顔見たことない…大好きで堪らない顔をしてる…締まりの無い顔なんて僕の前でしたことなんて無いからとても新鮮で… 「ふふっ…」 「何?」 「十夜もそんな顔するんだなって思って」 「へ?」 「僕の前ではカッコいい表情しか見たことないよ?そんな可愛い顔させてるのは夕兄さんって思うと…複雑…ちょっと寂しくて…とてもうれしいよ」 「何だそれ…」 「すごく…幸せなんだね…良かった…美那も…きっと喜んでいるよね?」 「ん…あのさ…この間夢に見たんだ…美那のこと」 「ん…」 「あいつ…笑ってたよ…俺の独り善がりかもしれないけど…幸せになってって言ってた…」 「きっと独り善がりじゃないよ。美那はみんなで笑っていることが大好きだったから…」 「だといいな…」 「朝陽さん。体調大丈夫?」 「大丈夫だよ。」 「十夜さん。夕燈さん戻ってこないんですけど大丈夫ですかね?」 そういえば三十分程見ていない 「またあの人は…久しぶりに飲んだから…ちょっと捜してくる…」 「俺も探します」 「大丈夫…だいたい検討ついてるから…星夜は朝陽に付いてて」 「わかりました」

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