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プロローグ《出会いの瞬間》
それはあまりに唐突だった……。
いつものように通い慣れた高校からの帰り道。
あと少しで自宅というところ…
細い通路を曲がろうとしたその瞬間――。
ドンッ!!
激しい衝撃が全身を貫いた…
宙が暗転し気付いたときには、背中から歩道に倒れ込んでしまっていた……。
「っ…?」
何が起こった…?
そう、自分自身の状態を確認するまもなく……
すぐ近くで澄んだ声が聞こえた…
「っわ!ごめん!!大丈夫!?」
慌てたように手を差し伸べてきた…
その人物に、一瞬にして目を奪われてしまった――。
金髪の髪…蒼い瞳…。
そしてなにより、その綺麗な面持ちの額からは真っ赤な鮮血が滴り落ちていたのだ…。
「……えっ」
ぶつかった衝撃で流血??
なわけないか……
自分の方がよほど吹っ飛ばされているのだから…
「大丈夫?どっか怪我してない?」
なおも心配そうに、へたって起きれない姿を見て、覗き込み声をかけてくる。
いやいや…お前の方こそ大丈夫?
血すごいよ…
と心で突っ込みながら、なんとか起き、立ち上がる。
「オレは大丈夫だけど…お前それ…」
「はぁ良かった、じゃ!おれ行くね!」
軽く言って、金髪の少年は手を振って爽やかに去ろうとする。
「あ!ちょっと待て!!」
それを大声で引き止める。
「えっ?」
「そんな流血しながら歩いてたらダメだろ!!うちに来い!手当するから!!」
少し叱るように言う。
「えっ!?いいよ、別に…」
いきなり何を言い出すのかとびっくりしている少年…
「よくない!!そんなの見てほっておけれるか!!」
しかし自分は怪我人見たらほっとけない性分。
こんな流血人なおさら間見逃せない…
強気な態度で相手の手首を持って付いてくるように促す。
「えー??」
困惑しつつも…
「いいから来い!!」
勢いに押され、しぶしぶついてくる金髪少年。
それから自宅で額の怪我の手当をしてやった。
その時、この金髪少年の隠された秘密を知ってしまい…余計、目が離せなくなった…。
衝撃的な出会いから始まり…
腐った日常に光が舞い降りて…
これから思わぬ方向に…
様々な出来事に巻き込まれていくことになるのだった――。
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