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第37話
涙がどんどんあふれてきてとまらない。
これはいったいなんの涙なんだろう?
月野さんと相思相愛になれたうれしさからの涙か、それとも、今始まったばかりの恋なのに、もう終わりを覚悟しなければいけない切ない悲しさなのか……。
どっちでもいいか……。
どういう未来が待っていても、オレは月野さんを思い続けるだけだもん……。
「ひなた?」
月野が声をかけると、ひなたはいつの間にかすやすやと眠っていた。
……やれやれ。色々なことを勝手に思い込み、先に眠っちゃうなんて……。
月野は苦笑した。
ひなたはまったく逆に思い違いをしている。
頬に残る涙のあとにそっと触れながら、月野は思った。
おまえのほうがオレを重荷に思う日がやってくるんだよ、ひなた。
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