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第88話

「そんでこの前さ………」 「は!?嘘だろ〜wwそしたらこの間……」 「………」 いつもと変わらない、友人達の会話を聞く。 くだらない話、色づいた話、どれも聞いてて阿呆みたいで笑ってしまう。 でも、何か足りない。 もっと別の、気になるような事​─────── そう思っていた時。 「っ、」 「……っ、すんませ、」 すれ違いざま肩がぶつかる。多分先輩だろうな、なんて軽く思ってた。 目に映る透き通るような白髪。もしかしたら女子よりも細い身体。 髪の毛の隙間隙間から見えた、色水を零したような輝くグリーンの瞳。 「ごめんなさい…」 か細い小さい声、でもその声はどこか胸に優しく入ってきて。 すぐに歩き出して、距離が遠くなる。すれ違いざまに香った檸檬の匂い。 なんだろう、この感じ。 凄く知りたい、もっと話したい。 「おーい、秋人何してんだよ」 「っ、今行く!」 あの人が気になって、仕方がない。

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