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第7話

 部屋に入ると、スーツからいつものジャージに袢纏の姿に着替えて、炬燵に入る。翔太は、大人しく俺の向かい側に座ると、ポツリポツリと話し出した。だいたい、俺が予想していたのと大差はなかった。違ったのは、ただ翔太が逃げ出したのではなく、義父が追い出した、ということだ。 「ごめん。泰寅おじさんに迷惑かけて」  しょんぼりとした顔の翔太は、いつものムカつくイケメンとは違って、昔のカワイイ頃の翔太を思い出させる。 「……おじさんは、やっぱり、嫌?」 「ん?」 「俺と一緒にいるの」  正直、俺にはそれほどの嫌悪感もなかったりする。何も追い出すことはないだろうとすら思う。 「いや、別に」 「本当にっ!?」  びっくりしたような顔で俺を見つめる翔太。 「そんな驚くことか?まぁ、ああいう風に家までやってこられたら困るけどな。ていうか、恋人じゃねーのか?あいつ」 「違うよっ」 「どう見ても、あの男、お前にぞっこんみたいだったけどなぁ」  やっと温かくなってきた炬燵。俺は炬燵布団を肩までかけると、テーブルに顎をのせながら、翔太を見上げる。 「……セフレの一人」 「一人?あ、何、お前、何人もいんのかよ?」  困ったような顔の翔太に、俺は身体を起こして、つい声をあげる。 「まぁ、それなりにモテるんで」 「うわ、羨ましくないけど、羨ましい。なんだ、この気持ちは」  俺のこの微妙な心境はけして翔太には伝わらないだろうな、と思いながら、再び翔太を見つめる。 「で、どうすんだよ、これから」 「……このままじゃダメ?」  かわい子ぶって見せてるが、目の前にいるのは俺よりガタイのいいイケメン。全然、カワイくはない。しかし、昔は可愛い甥っ子だった。俺はなんとか、その姿を脳裏に映して目を閉じる。 「……男、連れ込むなよ」 「うん!連れ込まないっ!」 「夜遊びはほどほどにしろよ」 「遊ばないよ!」 「泊まるときは連絡いれろよ」 「大丈夫!」  ……ん?なぜだか、俺の顔のそばに荒い鼻息を感じる。俺はパチリと目を開いた。

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