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第166話

それから時が経ち二人も大人になり結婚し碧は婿養子となった。 その後秀一の部下として仕事に励んだ。 そして現在(いま)___ 「荷物は持った? 忘れ物ない?」 「大丈夫だって。 母様心配し過ぎ」 「そりゃ心配するよ。 母親だもん」 目の前には綺麗な顔をしたそっくりな少年が二人。 「俺は兎も角、瑠加の方が心配だろな。 色々適当だし」 「はぁ?そう言うお前は真面目過ぎんだよ瑠依」 「俺は普通だ」 「もう、二人とも止めなさい」 双子の瑠依(るい)瑠加(るか)を窘めるのは母親となった希一 。 父親である碧によく似て天使のように美しく育った双子は高校生となり両親が通った聖雷へと旅立つ。 「ねぇ、時間大丈夫なの?」 希一の後ろからまだあどけなさの残る希一にそっくりの美少女がそう双子に語りかける。 「うるさいよ玲香」 彼女は希一と碧の娘で双子の一つ下の妹玲香(れいか)だ。 そしてもう一人、希一にしがみついて今にも泣きそうになっている幼い少年がいる。 「ほら(らん)お兄様に行ってらっしゃいは?」 「………お兄様たち、本当に行っちゃうの?」 双子を見つめるその少年、蘭は末っ子で双子より7つ下だ。 「ああもう、可愛い! 俺やっぱ行くの止めるわ。 寮生活なんて地獄じゃん」 そう言って瑠加は蘭を抱き締める。 「俺だってお前と同じだっての。 蘭がいないとか地獄だ」 蘭に対してブラコンな双子が中々家を出ないので玲香が無理やり追い出し渋々車に乗り込んだ。 「じゃあな蘭、あと父様にも一応宜しく伝えといて」 「うん、碧さんにも言っとく じゃあ身体に気を付けてね」 仕事でいない碧の分まで二人を見送った希一。 二人がいなくなったこの家は静かだが、まだまだ子育ては終わらない。 それに今はΩを支援する活動もしている。 大変な事が多いけれどとても幸せだ___ 終

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