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第2話
「貴方はΩですね。」
そう言われたのは中学に進学してからすぐのことだった。
Ωについては小学校で習ったから理解はしていた。
『Ω』
それはとても希少で3か月に一度発情期がやってくる。
そして何より、男でも妊娠が可能である。
だが、その希少性と言う割に地位は非常に低い。
差別を受けることもある。
そう授業で聞いていた。
他にも、『β』この種は一番多く平凡と言っていいだろう。
そして一番上に存在するのが『α』
彼らは非常に優秀なエリートでΩ程ではないが数は多くない。
そして重要なのがΩは発情期にフェロモンを発する。
それに強く惹かれるのがαだ。
αは唯一Ωを番にでき、番にされたΩはその相手以外とは結ばれない。
でも厄介なのがαはを何人も作れ一方的に解除もできる。
解除されたΩはストレスで番が作れなくなてしまう……
まだΩと分かったばかりで実感もないが。
これから大変になる、ということだけは理解できた。
この先何が起こるんだろう。
どうなってしまうのだろう。
何も分からず不安だけが募る。
すると傍にいた母がぎゅっと抱きしめた。
「ごめんね……
ごめんなさい……」
そう泣きながら謝罪する。
俺、九条希一 の母もΩだ。
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