｢すみません、こんなこと……｣ ｢いや、別に構わない……｣ 碧にとって親しみやすいと言われたのは初めてで、周りからは取っ付きにくいと思われているようだからその言葉は新鮮だと思った。 ｢しかし、思ったんだがお前はよく謝るな。｣ 話してみて希一はよく謝罪の言葉を口にする。 口癖なのかと思うが少々気になる。 ｢ああ、すみません……あっ…… ……俺、人と接するのって苦手なので。 つい、当たり障りの無い応え方してしまうようで…｣ ｢じゃあ、慣れたらいいのか？｣ ｢え？えっと……どうでしょう……？｣ ｢まぁいい、僕と話して練習すればいいんだ。 僕と話せるなんて光栄なことだぞ‼ 自信を持てばいい。｣ ｢はぁ……ありがとうございます……｣ 若干言ってることが理解できないがこうやって話しかけてくれるのはありがたいことなんだと思った。 そしてこの様子を遠くから覗き見ているのは雫。 あの碧が一人の後輩に入れ込んでいるのが意外で笑いが止まらない。 あれは完全に惚れている。 これはいいネタだ出来たと不適に笑った。 ｢あ～面白い。｣