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第31話

その日の昼休みのこと、希一は陽介と共に食堂へやって来た。 すると周りは昨日のこともあってかざわざわとし始める。 あまりいい気分ではないが仕方ない。 席へ座ったところへ複数の生徒が二人の所へ来た。 「お前、昨日碧様と食事したようだが何のつもりだ?」 「はい?」 「私たちですら軽くあしらわれるのに、Ωの貴方なんかがどうして!!」 どうやらこの人たちは碧のファンらしい。 彼ら曰く、碧は誰とも馴れ合いはしないしプライドが高く気難しい性格なのに希一は普通に話している。 しかもそれがΩだから彼らはそれが非常に気に入らないらしい。 「私には振り向いてくれないのにどうして……」 「どうして?教えてやろうか?」 「!?」 彼らの後ろから声がしてそちらを見てみると 碧と雫が立っていた。 「あ、碧様……」 「お前どうしてって言ったな。 僕が身内と話すのに理由が必要か?」 「え?」 「碧さん!!」 堂々と身内だなんて言った彼に希一は焦った。 九条家はΩの存在を隠したい筈だ。 そんな事を言えば九条家の名を汚すのではと希一は気が気でない。

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