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第46話

パーティも終わりようやく帰宅の途に着けると肩の力を抜いた秀一。 全く不愉快でしかない話ばかりだった。 自宅に帰ると妻の朔と使用人である安藤棗が出迎える。 「お帰り秀。」 「お帰りなさいませ秀一様。」 「ああ、ただいま。」 朔とただいまのキスをし彼の綺麗な笑顔を向けられたら疲れた体も癒される。 最近は希一が寮へ行ってしまって寂しいらしい。 それといじめられていないかと不安で仕方がないと言う。 電話しても大丈夫としか言わない希一。 何処まで本当なのかさっぱり分からない。 「そう言えば希一はこの連休帰らないようだな。」 「うん、馬の世話があるって言ってたけどあの子本当に大丈夫かな? 頑固で我慢するタイプだから心配なんだけど。」 「お前にそっくりだ。」 「そうだね。」 嫌なところばかり似てしまうと苦笑する。 美しい銀色の長い髪と少し憂いの帯びた瞳、そして透き通った白い肌。 秀一とはまた違った美しさがある男性だ。 彼が愛しくてたまらない。 そっと頬に触れると朔はふふっと微笑んでその手に擦り寄ってくる。 「好きだ朔。」 「ん、僕もだよ。 大好き。」 二人はそっとキスをする。

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