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第51話

「はあ?外出?」 「はい、先ほど出かけて行きましたよ?」 希一の部屋へ行ったはいいが留守で他の奴に聞いたら陽介と外出したらしいのだ。 それを聞いた雫は笑いを堪えていた。 このタイミングで外出って運が無いというか本当に笑える。 「お前‼笑うな‼」 「ぷははははは‼」 ついに堪えきれず声に出して笑ってしまう。 「これ、どうするの?」 一方希一は駅にて切符を手に固まっていた。 実は電車に乗ったことがない為改札口でまず苦戦していた。 「だから、普通にここに入れて通って切符を取り出すんだよ。」 陽介に教えてもらいながら何とか通り抜けて陽介に手を引かれながら電車に乗り込んだ。 「まさか電車初めてって。」 「だって必要なかったから……」 どこに行くにも車での移動。 小中学校も金持ちの行く一貫校で友達とどこか行くにも車で必ず保護者同伴の筋金入りのお坊ちゃまなのだ。 「ま、今回は社会勉強ってことで迷子にならないように手、離すなよ?」 「うん。」 今向かっているのは動物園。 ゴールデンウィークは馬の世話を帰省した部員の代わりに頑張っていたからこの日曜日は休んでいいと佐久間が言ってくれたから、もともと動物が好きな希一は動物園に遠出することにした。

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