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第86話
父に従い椅子に座る。
「今後の事だが、お前は学校に行かなくていい」
「え?」
「あんなところにお前を通わせるわけにはいかない。
転校も視野に入れるが他に良さそうな学校がまだ見つからない。
それまでお前は行かなくていい」
希一の通っていた小中一貫校のその学校は、とても有名で父も卒業生の私立学校だ。
だからそれ以上か同等の学校は中々無いし、父は頭のいい希一にはなるべく上の学校に通わせたいから悩んでいるようだ。
「取り合えず学校には行かなくていい。
だが、勉強だけはしっかりしなさい」
「はい」
勉強だけはやりなさいと言う父は家庭教師を雇った。
「初めまして、この度家庭教師をさせて頂くことになりました石田と申します」
「お待ちしておりました此方です」
若い男性の家庭教師。
彼を希一の部屋へと案内し早速勉強を始める。
「ではまずここから」
「はい」
教科書を広げ彼の話に耳を傾ける。
すると彼と目が合った。
別に教わっているのだから当然なのだがどうしてだろう……
怖い……
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