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第92話

みんなで一緒に行こうと言う希一。 碧の望む二人きりのデートに対して彼はどうやらデートと捉えていないらしい。 ただ友達と遊びに行く感覚のようだ。 「あ~いや、俺は遠慮しとくわ」 「そっか………」 碧に気を使って断ったのだが、希一が残念そうな顔をするからなんだか申し訳ない気持ちになる。 碧はなるべく二人で居たいだろうし、雫がいれば警護は十分だろうから自分はお邪魔虫なわけだが、希一は陽介とも一緒に行きたいと言う様子で逆に碧が気まずそうだ。 「村瀬、無理強いはしないが僕はお前がいても構わないが?」 見かねた碧が仕方ないと陽介を誘った。 「ああ……じゃあ俺も……行こうかな?」 そう言うと希一の目が輝いた。 そして碧は小さく溜め息をついた。 折角デートが出来るとおもったのだが…… これほど自分を振り回せるのは彼だけだと思う。 そして彼に振り回されてる自分は本当に希一の事が好きなんだと思う。 そう言う事でこの夏休み最後の思い出作り、遊園地へとやって来た。 「わぁ~」 遊園地の賑わう様子を見て興奮している希一を見て可愛いと碧は頬を緩ませる。 だがそれに比べて陽介はイマイチ乗り気でない。 別に来たくなかったわけじゃないが、二人きりになりたい碧を察してどうしようかと悩み中なのだ。

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