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第94話
ここのジェットコースターは人気のようで、結構並んでいる。
30分待ちと書いてある。
まぁ、これくらいの待ち時間くらいなら他の遊園地とかでもあるが……
「30分待ち?なんでこんなに待つんだ?
やっぱり貸し切りにした方が良かったんじゃないのか?」
金持ちからしたら待つなんてあり得ないらしい。
と言うか何故皆並んでまで乗りたいのか理解できないと言う。
「まぁ、これも遊園地の醍醐味じゃないッスか?」
「碧様はせっかち過ぎるんですよ。
たまには心にゆとりを持ったら如何です?
でないと血圧上がりますよ~」
「血圧上がらせてるのは何処のどいつだ?」
また碧をからかっている雫。
面倒だから碧にちょっかい出すのは止めてほしい。
こっちにまで火の粉が飛んで来ないかヒヤヒヤする。
そしてそれを二人とも仲良いね~なんて言う希一。
天然なのは分かったが、それはそれでどう答えたらいいのか分からない……
そうこうしている内にようやく順番が回ってきた。
希一と碧が前、雫と陽介がその後ろに座る。
希一は凄く楽しそうだが碧は気のせいか、憂鬱そうに見える。
そして雫は相変わらずニヤニヤしている。
「陽介君怖いなら手握っててあげようか?」
「結構です。
俺絶叫系得意なので」
こんな男に手を握られるなんて気持ち悪い。
そしてゆっくりと上へ登っていく 。
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