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10 入社一年目12月。

『悪い。遅れた。』 『いいよ。俺たちも今来たとこ。』 今日は久しぶりに裕也と隼人との飲み会だ。 『なぁ、お前らクリスマスなんか予定ある?』 『俺は彼女と。』 『ですよね。智は?』 『俺?俺は研修。』 『研修!?なんちゅう会社だよ。』 『本当だよな。』 『でもお前まだ彼女いないんだろ?』 隼人が少し心配そうな顔をして聞いてくる。 『なんでそんな心配そうな顔して言うんだよ。あぁ、いませんよ。』 『もう開き直ってるじゃん。』 裕也が笑いながら言う。 『いや、別に彼女いらないんだって。』 『お前大丈夫?』 『なにが?』 『22歳の健全な男がだよ?彼女いらないって…お前もしかして…』 『ブフォ!!!』 飲んでいた酒を吹いた。 『汚ね!!まだなんも言ってねぇし。』 『ごめん!!なに言われるのかと思って…』 もしかして…その後に続く言葉って言ったら一つしかないよな…? 『お前、あっちなの?』 『えっ?あっちって、どっち?』 隼人が裕也に聞く。 『あっちって…ゲ…』 『んなわけねぇだろ!!!』 俺は渾身の思いを込めて突っ込む。 『だよな。悪い。冗談。』 危ねぇ。って、危なくない危なくない。 俺はゲイじゃない。 ただ今回好きになった人が小宮さんだったわけで…たまたま男だったってわけで… あぁぁぁ。もうなんかわけがわからん。 『智。』 『なに?』 『今度合コンするから来いよな。』 『はぁ!?』 『人足りないのもあるし、お前やっぱ彼女作れ。な?』 『うーん。』 俺はなんとも言えず、友達に心配をかけてはいけないな…と合コンに参加することにした。

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