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13 入社一年目12月。

『おはよう。』 『お、おはようございます!!』 俺よりも少し遅くきた小宮さんに挨拶する。 カバンが小さい… 大人の男は持ち物までもスマートなのか… 俺は泊まりということであれやこれや色々な物を詰め込んできた。 『山崎、カバンでかくね?』 ほら、突っ込まれた。 すごく恥ずかしくて頭を掻く。 『いや、泊まりって聞いてはしゃいじゃって…つい、あれもこれもって…』 『子供かよ。』 そう言って小宮さんが笑った。 あっ…こんな顔して笑うんだ… 小宮さんは仕事ができる。 オンとオフはしっかりしているのか、仕事中に笑った顔はあまり見ない。 一緒に飲んだことだって、歓迎会だけだし… もしかすると今日、小宮さんのプライベートを色々と知れるかもしれないと、益々緊張が走る。 『よし。行くか。』 『はい!!』 そう言って俺たちは新幹線に乗り込んだ。 って、なんで? なぜか俺と小宮さんの間にはオバさんが一人。 どんな席の取り方してんだよ。 俺は会社の総務部に殺意さえ湧く。 新幹線の中で何を話そうかと考えていた俺のドキドキを返せ!!と心の中で叫ぶ。 『これ、お一つどうぞ?』 そう言ってオバさんが俺と小宮さんにミカンを一つずつくれた。 『あ、ありがとうございます…』 小宮さんを見るとクスッと笑いながら俺を見ていた。 まぁ、こんなのも悪くない… そして俺のドキドキ危ない旅行(研修)が始まった。

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