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34 入社二年目12月。小宮side

『おはよう。』 『おはようございます。』 こんな面倒臭い研修になぜ自分から行きますと名乗りを上げたのか… 体が勝手に起こしたことだった。 『行こうか。』 そう言って駅を歩く。 隣には城田。 去年はこうやって山崎と歩いたっけ? 思い出して少し心が暖かくなる。 『席ここですよ。』 城田に言われ腰をかける。 今年はちゃんと隣同士で取ったんだな。 総務部も同じミスはしないってか? またしても去年のことを思い出し、少し頬が緩んだ。 『小宮さん。』 『なんだ?』 『先輩のこと好きですよね?』 『はぁ?』 『小宮さんって、山崎さんのこと好きですよね?』 『だったら?』 俺の予感は的中ってところか? 『だったらって…余裕ですね。』 『で、お前は?』 『僕ですか?僕はずっと好きですよ?大学生の頃から。』 『ふぅーん。』 やっぱりな。 どおりで山崎へのスキンシップが過ぎるわけだ。 『やっぱり好きなんですか?』 『好きだけど。』 なんか文句でもあるか?って後に付くぐらいに言ってやった。 『これもわざとですよね?』 『なんのこと?』 俺はとぼけて見せる。 『山崎さんと僕のことを二人きりにしない作戦ですよね?』 『あれ?バレてた?』 『バレバレですよ。』 きっと周りから見たら奇妙な光景だろう。 俺も城田も今のやり取りを思いっきり笑顔でやってるんだから… 『負けませんよ?』 『ほう。受けて立つよ。』 とは、言ったものの… 気持ちを伝えられないでダラダラ一年を過ごしてるやつが言うセリフじゃねぇよな。 飲みにも誘えねぇなんて、本当俺は子供かよ… 積極的な城田の方が何倍も大人に見える。 さぁ…ライバル出現。 どうすっかな…

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