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74 入社三年目10月。
今日はイケる!!!
はずだったのに…
本当ヘタレだよ俺は…。
シャツのボタンを外され、胸の突起を甘噛みされた途端に全身がブルブル震え出し、焦った小宮さんが手を止めた。
『山崎、無理するなって言ったろ?』
『だって元カノが…』
『もう今は関係ないから。それより俺はお前のこと大事にしたいのに。』
そう言って溜息をついている。
呆れの溜息だよ、あれは…
そう思うと悲しくて涙が出そうになる。
また泣くのもなんなのでグッと堪えた。
頭の中に天野さんの言葉が回る。
「お前から誘え。」
天野さん、やっぱり無理でした…。
本当に情けない自分が嫌になる。
こんなの女子以下だよ。
女の子の方がずっと強くて度胸があるに違いない。
そう思った。
『よし、帰るか。』
服を整えた小宮さんが俺の腕を引き、腕の中に収めた。
『もう無理すんなよ。俺はいつまでも待つから。でも…』
『でも?』
『本当に我慢ができなくなったときは襲う。』
そう言われ俺は耳まで真っ赤になった。
『可愛いやつ。』
そう言いながら頭をポンポンされた。
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