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73 入社三年目10月。

今回はビジネスではなく、正真正銘のラブホテルだけど、今はそんなことどうでもいいぐらい俺は傷心しきっていた。 『山崎?大丈夫か?』 拭いても拭いてもポロポロと流れ出てくる涙を小宮さんが優しく何度も拭いてくれる。 情けない… 『話せる?』 そう言われ俺はコクリと頷いた。 『さっきのこと?』 俺はまた頷く。 『だよな。俺も逆に山崎の元カノに会ったら嫌だもん。ごめんな。』 小宮さんは優しい。 本当ならこんなことでって絶対バカにされるはずだ。 優しく頭を撫でられ、抱きしめられた。 暖かい…すごく暖かくて安心する。 さっきまでの嫌な感じがスゥーっと消えていく。 『小宮さん…』 『ん?』 『すみません。』 それだけ言うと俺は小宮さんの胸元に自分の頭を擦り付けた。 何も言わないでずっとそのままの態勢でいてくれる小宮さんの腕の中で考える。 あの女性とは一つになったのかな… そう考えると悔しくて堪らない。 と同時に、自分の情けなさにも悔しくなってくる。 『小宮さん…俺…』 そう思うと俺の体は勝手に動いていた。 自分のスーツのジャケットを脱ぎ、小宮さんのジャケットも脱がす。 『山崎?』 不思議そうな顔をする小宮さんの唇に口付けた。 『大丈夫なのか?』 心配そうに聞かれ、俺は頷く。 今度は小宮さんが俺の唇を塞ぐ。 何度も何度も角度を変えて俺の口内を貪る小宮さんの舌を追う。 『ハァ…』 唇を離され俺の息が漏れた。 『山崎…』 名前を呼ばれると同時にベッドに押し倒され首元にキスをされる。 この前はここでビビってしまったのだ…と思い出し、自分に堪えろ!!と言い聞かす。 小宮さんと繋がりたい…一つになりたい… その気持ちだけで恐怖と戦う。 首元から胸の方にスルスルと滑る唇がくすぐったい。 俺のシャツのボタンを起用に外しながら小宮さんが言う。 『本当に大丈夫か?』 俺は無言で頷いた。

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