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86 入社三年目11月。小宮side

隣でスヤスヤと眠る山崎の髪に指を通す。 疲れ果てて行為の後、意識を飛ばすように眠ってしまった山崎は、一時間近く経った今でも起きない。 『ちょっとやりすぎたな…』 初めてだったにも関わらず、思っていた以上の気持ち良さにストップもかけられないで結構な勢いで攻めてしまった。 腰大丈夫かな? そう思いながら腰に触れるとピクッと体が反応した。 それでも寝続ける山崎は相当深い眠りのようだ。 まさか自分が男に恋をして、体の関係まで持つとは思ってもいなかった。 今まで女性経験は人並みにはこなしてきたつもりだが、それ以上の快感に驚きを隠せないでいる。 山崎は童貞だと言っていた。 俺とこんなことをして童貞ではなく処女を 失うことになるなんて… それでよかったのか?ごめんな。 と、罪悪感まで湧いてくる。 男同士の恋愛とはこういうことなのかもしれない。 世間ではまだあまり受け入れられていない同性愛。 俺自身も最初は自分の気持ちに戸惑ったが、好きになった物はしょうがないと割り切った。 山崎はどんな気持ちなのだろうか。 結婚する人としかしないと決めていた山崎。 男同士は結婚できない。 山崎はいつか俺の元を離れ、本当に結婚できる相手を探し、その人の元へ行ってしまうのだろうか… 俺は少し寂しく思いながら、もう一度山崎の髪に指を通した。

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