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第13話
直後、急速に凹む雅さんに必死に違うちがう!って言って、俺も理解あるだけだから!寛容なだけだから!別に雅さんや彰さんを恋愛対象に見たりとか絶対ないから!と強めに弁解したらなんでかもっと凹んだ。
「ああ、大丈夫。ただ玲音バカなだけだから。直ぐに戻ります」
自分の上司をバカって言ったよ!しかもそれって、俺がいなくなったら彰さんが甘やかすからだよね!聞かないけど俺には分かるよ!腐の称号は伊達じゃないよ!
「はい」
「玲音君、今日は疲れたでしょう?理事長はたぶん、暫くの間このままですので、話はまた今度。ここから寮までは近いので、休まれた方が良いと思います」
手際よく雅さんの机から紙とペンを探り当て、サラサラ書いて渡される。
ここから寮までの地図だった。
ねぇ、世の中の秘書さんてみんなこんな有能なの?
IQいくつなの?
この地図、理事長室から外に出るまでの展開図とそれからの案内図になっててめっちゃ分かりやすいし迷う要素全排除って感じで綺麗なんだけど……まじ神。
で、俺はそれに従って寮に向かう。
雅さんが「こんな可愛い玲音をこのむさ苦しい、まして獣の巣窟である寮に入れるなんてー!」って、泣き付いてなかなか離してくれなかったのは言うまでもなく。
なんて言うか……自分が理事長をしてる学校をむさ苦しいって、どうなの……雅さん。
あと「ここは、君が思うよりあまいところではないので、肝に銘じて下さい」って彰さんにも言われたけど、それこそ意味が分からなくて「こんな平凡なんで、大丈夫です!」って言ったら苦笑い気味だったのは何で?
しかも泣きついてた筈の雅さんまで同じ顔してた。本気で意味わかんないんだけど。
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