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第137話
「篠田君の所為で集中力切れちゃったと思わないかい?」
「へ―――えっ!?」
ガタッ!バサバサッ!!
今まで向かいにいた筈の恵が横にいて、制服を急に掴んで来て机に押さえ付けられる。何この超展開デジャヴじゃない!?前は確か俺にイラついてた――なんて考えてた一瞬の内にネクタイで腕2本縛られてた。
待って何この手慣れたドSみたいな早業!!と言うか顔がマジBLで俺が好きなウホウホ言っちゃう受けをとろとろにしちゃう系鬼畜なんだけどマジなに!?恵どうしたの!?え、待って。これって法則で言うと俺がウホウホされる?ガチとろとろにされちゃう系?え!!待つんだ!考え直すんだ!まだ間に合うから!腐男子の俺とじゃなくてもっと他にとろ顔可愛いくなるヤツいるから!いいウホウホ探して持ってくるから!
「ぁっ」
「思ったよりいい声だね」
「ふ……恵、考えなおそう、って…」
「何をだい?それに僕は知っているからね、君が生徒会長とこういうことをしていると」
「んンッ!」
ワイシャツの上からなのに的確に乳首を抓られた。口調と言いマジでその道の人だ。ゴリラだって直ぐにウホウホ陥落するテクニシャンだ。
「痛い方が好きそうだね?」
「ちがっ…」
「違うんだ?じゃあ、なんでも話したくなるくらい甘やかして、頭溶かしてあげるから」
「ひっ」
眼鏡の奥は優しく目を細くして、口端をぐぃぃと上げた。綺麗な笑顔が逆に恐怖を駆り立て背筋が凍り付く。
暴れて逃げたいけど足の間に恵はいるから蹴れないし殴れたとしても次には押さえ付けられるのがオチだと思う。
これはアレだ。
蛇に睨まれた蛙だ。まさに……
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