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【番外編】終わりと始まり

【継side】 「継、あーんして?」 夕飯食べてソファでテレビ見てまったりしてたら、台所でぱたぱた動き回ってた創がこっちに来た。甘い匂いがする。 言われた通りに口を開ければ、そこに何かが放り込まれる。もぐもぐするオレをじっと見つめてくる。 ………あま。 「…んー?卵焼き?」 「惜しい!伊達巻き、作ってみたよ」 美味しい?なんてエプロン姿で小首を傾げながら尋ねるもんだから、可愛くて可愛くて可愛くて可愛くて(エンドレス) ぽんぽんと膝を叩くと、素直に膝に乗ってくれる。 「味見させて?」 「ん。ほら、」 唇を重ねて、少しだけ舌を絡めてやる。ざらりとした感触に思わず創の腰を引き寄せて、一瞬にして熱をもったそこを押し付けた。 このままソファに押し倒して…なんて考えたところで、やんわりと創に肩を押し返される。 「だぁめ。ね?」 「…わかってる」 うん、わかってる。創は今おせち作ってて、終わったら初詣で行くって言ってるし。 だから、帰ってくるまで我慢。 「あんまり甘くしなかったから、継も食べれるでしょ?」 「ん、すげえ美味い」 素直に感想を伝えると、嬉しそうに笑ってくれた。 「継、こっちはとりあえずオッケーだよ」 「よしっと、そろそろ出掛けるか」 甘い香りの漂う創の手を取って立たせると、ソファに掛けてあったコートをその細い肩に掛けてやった。

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