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第8話
下駄箱で靴を履き替えて、階段を上る。
教室に入ると、既に半数以上のクラスメイトがいた。
「おはよう、創くん」
「あ、おはよう」
ウザい。オレの創に話し掛けんな。
でも創、この子の名前思い出せてないよな、この態度。
特に話す事もないのか、創はくるりとオレの方を向いて笑ってくれた。
「ね、継。今日ご飯何にしようかな」
創がいい。
そう答えたらデコピンされた。真っ赤な顔で。
可愛いすぎんだろ??
あー、早く創食いたい…
金曜日は授業が長く感じる。
まだ4時間目が終わっただけだ。でもこれでやっと創とイチャイチャできる!
「創っ!」
チャイムが鳴るのとほぼ同時に、オレは創の背中に抱き付いた。
一瞬びっくりしたみたいだけど、その細い腕と指先を伸ばして、オレの頭を撫でてくれる。
「継、ご飯しよっか」
「ん。中庭行く」
よいしょ、と立ち上がる創のうなじに擦り寄る。
ん、やっぱイイ匂い。
「行こうか?」
「おぅ」
もっとくっついてたいけど、早く行かなきゃ創が好きなクリームパン売り切れるし。
それに、今日は金曜日。家に帰ったら、言葉通り創を離さないしな。
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