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心が狭いと言われても

【継side】 「ねえ、だめ?」 つい、と小首を傾げながら、握った手の人差し指を唇に充て、上目遣いで見上げてきて、仕上げに反対の手はオレの制服の袖をきゅっと引っ張る。 なんだこれ、拷問か。 襲っていいの?学校帰りの往来だけど襲っていいって事ですか? 「ね、継、お願い…?」 切なげな顔で言われた。マジやばいです、オレの下半身。 ・ ・ ・ ・ ・ 「うわぁ、可愛いーっ!」 扉を開けると、そこにはもふもふとした犬、いぬ、イヌ! 学校の帰り、新しくオープンしたという犬カフェのチラシをもらってしまった。 創が目をキラキラさせながらそのチラシを見て、可愛くおねだりしてくんだぞ、断れるか! 「あはっ、ふわふわ〜!」 ああ、来てよかった。母さん、天使がいるよー! オレはいつも鞄に入れてあるデジカメを連写モードにして、笑顔の創を撮りまくった。 創は何故か動物に好かれるみたいで、何もしなくてもむこうから寄ってくる。 いつの間にか創は何匹もの犬に囲まれていた。 「わ、くすぐったいって!」 犬達が走り回っても滑らないようにと敷かれたカーペットにごろんと横になり、そこに小型犬がわんさか群がってる。 脚にじゃれたり、腹の上に飛び乗ったりと、自由奔放な犬達。 「あはは、もう、わかったから!」 顔や指先を、犬達がぺろぺろと舐め回してる。 うん、可愛い。 スマホの画面これにしよ。 なんて思いながら、ひたすらシャッターを押した。 「んっ、ちょ、もう…」 困ったように笑いながらも、犬達の好きなようにさせてる創から、甘い声が聞こえてきた。 相変わらず可愛く啼くなあ。 って! ちょい待て待て待て。 「ぁ、や、もう…やめてって、ン」 ぺいっと犬を引き剥がして、創を抱き起こす。 ほんのりほっぺたが染まって、目が潤んでて。 はあっ、と息を吐きながらオレを見上げてきた。 「…創、帰るぞ」 「あ、え?うん?」

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