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倍返しされた挑発
「…けーえ?」
甘い声で見上げてくる創。バレてるよな、完璧に。
オレの膝の上に置いている左手が、するすると足の付け根に向かって這わされる。
「あんまり意地悪しないでね?」
「はい、ごめんなさい」
「…食べちゃうよ?」
にっこり笑う創。いつもなら可愛い笑顔なのに、今は目が笑ってない。
こくこくと頷くしかないオレの唇に創のが一瞬だけ重なったかと思えば、何食わぬ顔でもぐもぐとチョコバナナを食ってる。
触れただけの唇を舌で舐めてみたら、やっぱり甘くて。
「創、もっと欲しい」
「ふふっ、美味しかった?」
「ん、すげえ甘い」
屋台や街燈の光があまり当たらないとこを探して選んどいてよかった。
人もあんま通らないし、甘い創をじっくり味わえる。
膝の上に横抱きにして座らせると、その細い腰に腕を回す。そのまま浴衣の袷から手のひらを差し入れようとしたところで、その手をやんわりと掴まれた。
「…何すんだよ」
「浴衣、着崩れちゃうからダメ」
帰ったら脱がせてね?なんて耳元で囁かれたら、ここはぐっと我慢するしかないだろ…
我慢……できるか?
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