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スキンシップ

【継side】 「ねえ継、キスして?」 「エロいの?」 「普通の。」 「ちぇーっ…」 創はいきなり強請る事がある。 こんなふうにキスしてとか、ぎゅってしてとか、髪撫でてとか。それはもう何の脈絡もなく突然に。 で、オレとしてはそのまま事に及びたいんだけど、大抵の場合それは拒否られる。健全な男子高校生なら好きな人がそんな可愛くおねだりしてきたら、そりゃあ抱きたいと思うだろ?でも創曰く、ただスキンシップを取りたいだけらしい。 だから、オレの心と体を落ち着けるためにもそんな質問をするようになった。 「ほら、来いよ」 「ん」 軽く筋トレして滲んだ汗をタオルで拭いて、ソファで見てた創に腕を伸ばす。嬉しそうに笑ってその中に収まる創をぎゅっと抱きしめて、額にそっと唇を寄せた。 「…そこじゃない」 「わかってるって」 顎を掴んで上を向かせると、尖った唇を親指で撫でてやる。見上げてくる大きな瞳が閉じられるのと同時に、それを重ねた。 ほんの数秒だけ創の唇の温かさを感じて離れると、創がシャツの裾をきゅっと握り、オレの頬に細い指先が添えられる。 「あー…その、我慢出来なくなるから、な?」 「…まだ終わらない?」 「ん?」 「筋トレ。まだするの?」 「なんだよ、寂しいのか?」 「うん。もっとおれの事も構ってよ」 悪戯っ子のように笑う創を抱き上げて、さっきまで創がいたソファへと座らせる。 さらさらの髪を撫でながら、今度はオレが強請った。 「なあ創、ちゅーしていい?」 「普通の?」 「エロいの。」 返事は飲み込んでしまえばいい。

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