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嵐、襲来
くっそ、ハメられた!だから昨夜母さんから電話あったのか…
ジャスティンの両親は、オレらの両親と同じ会社で働いてる。つまり、パイロットとアテンダント。
同い年ってのもあって、子供の頃からよく一緒に遊んでた。小学生の頃なんかは、長期休暇の忙しい時期になると、会社の託児寮でずっと一緒だった。
で、どういうワケかこいつは創がお気に入りらしく、スキンシップが激しい。
「えーと、まあそんな感じで。じゃあ渡辺、後はよろしく」
「はあ⁉︎ふざけんな!」
「いやいや、お前らんとこに一ヶ月ホームステイするってお母さんから連絡あったろ?」
「………はああぁぁーっ⁉︎」
ジャスティンの席は大介の後ろになった。よし、創と離れたぞ!
休み時間になると、ジャスティンの周りは女子でいっぱいになっていた。すげえ質問責めだな。
囲んでる女子達はなんか皆して連絡先書いたメモとかプリクラとか、よくわかんないけどなんか色々渡してた。
「へえ、双子の幼馴染み?」
「あー、まあそんなとこ」
興味なさげにオレ達のとこに来たのは、隣の席の正木。なんかいつもメモ帳持ってこっち見てんだよな。
前に座る創が体ごとこっち向いてくれるから、くしゃくしゃと髪を撫でた。
「もぉ、やめてよー」
なんて言いながら、嬉しそうに笑ってくれるから、さっきまでのイライラした気持ちが晴れていく。
そんなオレらの横で、正木はニヤニヤしながらメモ帳に何か書いていた。
休み時間が終わり、古典の授業になった。
「ほら、教科書無いんだろ?」
「サンクス!Ah………」
「ああ、ダイスケ。綿貫大介な?」
「ダイ、スケ………っ⁉︎」
ジャスティンに教科書を見せるために、大介が後ろを向いてジャスティンの机に広げてやる。そこで、今更ながら大介が自己紹介した時、なんだかジャスティンがハッとしたように声をあげた。
オレ達の幼馴染みの二人だけど、さすがに実際に会ったりはしてない。けど、ジャスティンと遊ぶ時はたいていかなり長期間だから、ダイスケの事も話題にはなっていた。
「ダイスケ‼︎君がダイスケ‼︎」
「おわっ、なっ⁉︎」
ぎゅーっといきなりダイスケに抱き着くと、まあ例のごとく欧米式の挨拶を…
「I wanted to meet‼︎」
ダイスケを抱き締めほっぺにちゅーするジャスティン。
ジャスティンの腕の中で固まるダイスケ。
静まり返るクラスメイト。
スマホで連写しまくる正木。
え、なんだこれ…?
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