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青天の霹靂
【大介視点】
俺を見つめてくる碧い瞳と目が合った。吸い込まれそうだけど、反らせない。
気が付けば、頬を撫でる柔らかい手のひら。
「え、と…」
「ダイスケ、授業終わっタよ?」
はっとして時計を見れば、4時間目が終わり、昼休みになっていた。
まさか俺、ずっと見てた、とか…?
「あー…オレら購買行くけど、大介とジャスティン昼飯は?」
「ランチ?」
継が苦笑いしながら話しかけてきた。ああ、創のクリームパン売り切れるしな。
ちらりとジャスティンを窺い見ると、にこりと微笑む。きっと、この笑顔で女子は落ちるんだろうな、なんてぼんやり思った。
「いや、俺は今朝コンビニ寄ったしいいや」
「ん。ジャスティンは?」
「ああ、今行く。ダイスケ、Wait a little,please?」
くしゃくしゃと俺の髪を撫でて席を立ったジャスティンの後ろ姿を、ただ眺めていた。
「うわー、かなり美味しいんだけどっ!」
振り向けば、双子に向ける視線を今は俺に向ける正木がいた。手には例のメモ帳。
いやいや、対象が違うだろ。
「綿貫は双子の幼馴染みで、ロー君もって事は…友達の友達は友達?」
「ちげーし」
買ってきたコンビニの袋からがさごそとパンとコーヒーを出し、机に広げる。
「明らかに綿貫に気があるよね、ロー君」
「は?初対面なのにバカな事言うなよな」
「じゃあ初対面じゃなきゃいいの?」
正木の質問に、なぜかすぐに答えられなかった。
『初対面じゃなきゃいいの?』という正木の言葉に、即答できなかった。
いやいや、普通に考えてナシだろ。だって、男だぞ?
創と継は、まあ、うん、アレだけどさ。
世の中にはそういう人がいるってのも知ってるし、否定はしない。嫌悪感もない。
ただ、俺は違うだろ。好きになる子は女の子だし。
だけど、あの碧い目でジャスティンに見つめられた時から、なんだか胸の奥がすごく苦しい気がするんだ…
「…ない。初対面でも、これから先も」
正木にやっとそう答えてコーヒーを喉に流し込む。ブラックみたいに苦かった。
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