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ラブラブショッピング
【創side】
継に似合いそうなシャツを数枚手に取り、頭の中で着せてみる。
鏡を見ながら自分に充ててもいいだろうとダイちゃんに言われた事があったけど、それは違うんだよね。だっておれは継じゃないもん。
「はい、継」
「ん、創もコレな」
選んだ服を継に渡すと、継もおれに選んでくれた服を手渡してきた。
お互いに顔を見合わせると、なんだか心がふわりと漂うような気がする。
「ありがと。ねえ、クレープ食べたいな」
「ああ、桃のやつだろ?」
会計しながらそう言うと、店員さんがクスクスと笑う。
いつも仲がいいですね、なんて。
「オレらラブラブだし?」
「ふふ、そんなわけです」
否定なんかしないよ。もう来れないとかも思わない。
恥ずかしくなんかないし、むしろ見せびらかしたい。
おれの継は、すごく可愛くてかっこ良くて、でも少しだけバカで。
二人分の服が入ったショッピングバッグをさりげなく持ってくれる継の空いた手のひらに指を絡めて、じっと見つめてみる。
「ん?」
「………!」
「あとで、な?」
キスしてほしいなーなんていう視線に込めた気持ちが伝わったみたいで、ちゅ、と頬にキスをされると、耳元で熱のこもった声で囁かれた。
店員さんが真っ赤になりながらありがとうございますとか言ってたけど、あの人この後ちゃんと仕事できるのかな?
とりあえず、今は継の事だけ考えていたくて、繋いだ指に力をこめた。
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