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最後の一つは

「あっ、大ちゃんおはよー!」 「うーっす。なんだよ、もしかしてジャスティン先に行ったのって…」 なるほどな、といった顔で頷くケイの横をすり抜けて、今買った袋からコーヒーを取り出してダイスケに渡した。 さんきゅ、そう言って素直に受け取ってくれるのが嬉しくて、心臓がキュッとなった。なんて単純なんだオレは。 「しかし、日本のチョコレートは面白いな。コーヒーゼリーのチョコレートなんて、もはや謎でしかないぞ」 「え?あ、マジでなんだこれ、どっちだよ」 物珍しさからつい手に取った一口サイズのチョコレート。コーヒーゼリーなのにチョコレートとは、日本人のセンスはどうなんだろう。 他にもソウが好きそうなプリンのチョコレートもあったので買ってみた。うん、これはまあ味の想像がつくな。 「創、これ美味い?」 「うん、今のお気に入りだよ」 あーんとツバメのように口を開けているソウ。こちらを伺っているダイスケに目で合図すると、一つ口に放り込んでやっていた。 まさかダイスケとアイコンタクトが取れるなんて、今日の占い結果は見なくても分かる。 「えへへ、ありがと」 「別に…買ったの俺じゃないし。あ、これ一個しかないのか」 カサカサと包みを開けたのは例の謎なチョコレート。半分くらい囓ってもぐもぐしてる。可愛い。撫でたい。 しばらくすると、それがオレの口元に差し出された。 「…ほら」 「………………………え?」 「い、一個しか無いし、その、ほら、あー…」 こういうのを日本語で何と言うんだろうか、迷う?うろうろしてる?ばたばたしてる?ああ、確かキョドウフシンだったか。 チョコレートを持った手がふらふらと彷徨っていた。それを掴んで引き寄せ、ぱくりと指ごと食い付く。 「!?」 「ん、甘いな…」 溶けて指先に付いたチョコレートを舐め取ってやると、ばっと手を振りほどかれてしまった。 みるみるうちにダイスケの顔が真っ赤になる。少しはオレの事を意識してくれたらしい。 「こっの……ヘンタイがっ!」 駆け出すダイスケの耳までも真っ赤に染まっていた。 …でも、ヘンタイって何だ?メタモルフォーゼ? 「あいつ、オレよりひでーな」 「大ちゃんも大変だねぇ」

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