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去るものは追う

ずんずんと歩いて行く背中。赤い耳。怒っているわけではないはずだ、きっと。 妙にそんな自信が湧いてきて、ニヤリと口元が緩む。 「オレから逃げられると思うのか?」 ターゲットが去るなら、それよりも速く歩けばいいだけの事。ボールを追ってコートを走り回ってる時みたいに、そこしか見えなくなってきているのがわかる。 ああ、楽しくなってきた。 オレはいつもより少しだけ歩幅を広くして、朝の鬼ごっこを満喫した。 逃げるなんて出来ると思ってるあたりが、更に可愛いじゃないか。

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