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愛おしい気持ちが溢れていく
すっぽりと腕の中に収まった体は、一般的にはそんなに小さいわけではないんだろうけれど、でもやっぱり自分と比べれば小さいんだと思う。
心の奥底から、ダイスケを愛しいと思う気持ちが泉のように溢れて止まらない。
さらりと流れる髪に顔を埋めると、抱き締る腕に力を込めた。
「…ゆっくりでいいから、オレの事、好きになって?」
「ん…」
今の自分の気持ちを素直に言葉にする。時間はまだあるんだ、焦らないし、焦らせない。
回した腕に添えられた手のひら。拒絶はされてないと思う。思いたい。
すっとそれが移動して、リストバンドを撫でてくる。形を確かめるかのように、ゆっくりと、丁寧に。
そこにダイスケの唇が触れたのは、気のせいじゃないはず。
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