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じゃあどうして、その手を離さない?
【大介side】
はっとそこから離れて声のする方を見たら、後ろから継に抱きつかれながらくすくす笑う創と目が合った。とんとんと自分の口元を人差し指で突いてる。
「…?」
「ダイスケ」
わけがわかんなくて素直にジャスティンの方を向いたら、ペロッと口元を舐められた。
「んなっ⁉︎」
「他のヤツに見せたくない」
「ばっ…かじゃねーの…」
真っ赤になったのが自分でもわかるくらいに頬が熱い。
自覚した瞬間に一気に心臓がバクバクしてきて、なんか破裂しそうだ。そっから指の先まで熱い血が巡り巡って、頭から湯気でも吹き出しそうなくらい暑くなる。
誤魔化すみたいにごしごしと袖口で口元を拭いて、ニヤニヤ笑うジャスティンにデコピンをお見舞いしてやった。
でも、絡めた手のひらはそのままで。
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