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はやく
【継創】
テストなんか嫌いだ。別に勉強がイヤなわけじゃない。点数はそこそこ良いし、毎回平均以上は取れてる。
オレが嫌いなもの、それはテスト期間。
「なあ創、ぎゅーってしたい」
「……だっ、だめ…っ!」
「チューは?」
「継…あと3日、ね?」
試験2日目が終わった日の夕方、オレ達の攻防戦が始まった。
オレがこんなに創に触れないなんて、普段ではあり得ない。でも、触れたら歯止めが効かなくなるのがわかってるから、ものすげぇ我慢してる。寝る時だって腕枕しながらもうギンギンになってんのに、それでも寝込みを襲わないなんて偉いなオレ…
創はいつもと変わらない笑顔で夕飯の準備してる。後ろ姿がめちゃくちゃ可愛い。
隣に並んでサラダに使うレタスを千切ってみる。うわあ、創の匂いで腹一杯になりそうだ。
けど!やっぱ足りないんだよ!!!!
「なあ、ちゅーしたいんだけど」
「っ、お、れだって、したいもん…」
「じゃあいいじゃん」
「もっとしてほしくなっちゃうからダメ!」
真っ赤な顔でそんな可愛い事を言ってくる。なんなのこれ、拷問か?
とりあえずそんな口は塞いでやればいい。
「んっ、ん…」
紅く染まった頬に手をやれば、ゆっくりと重なり合う。
細い腰を引き寄せれば、素直に体を預けてくる。
ああもう、堪んねえ。
「け、え……」
「んー?」
早く、オレに落ちちゃえよ。
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