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覚悟がなきゃ、今ここにいねえよ
【大介side】
「こっち、座って?」
浴槽の淵に腰掛けたジャスティンが、ぽんぽんと自分の膝を叩く。なんか、継が創を呼ぶ時みたいだ。
湯船から上がって、お邪魔します、なんて声を掛けてそこに背を向けて座ると、後ろからぎゅっと抱きしめてきた。ああ、これやばい、すげえ心臓がキュンてなる。鷲掴みにされたみたい。なんだこれ、嬉しい。
だけどさ、ジャスティンさんよ。
「…当たってんだけど」
「好きで好きで堪らない恋人が腕の中にいるんだ、仕方ないだろう」
後ろから回された手が、臍のあたりでぎゅっと抱きしめてくる。ぴったりと背中をくっつけるように引き寄せてきて、なんか恥ずかしい。
首筋に柔らかいものが当たって、それがキスなんだと思ったらチクリと何かに刺されたような痛み。
「っ、なに?」
「……マーキング?」
「俺が聞いてんだけど」
そのまま何箇所もそれを繰り返すのを黙って好きなようにさせてたら、不意に手のひらが脇腹を撫で上げてきた。
「んっ、」
「こっち向いて」
「やだ」
こんな顔見られたくない。俺今ぜってー真っ赤だ。
恥ずかしい。イヤなんじゃないけど、ただ恥ずかしい。
そんな事を考えながら俯いて耐えていると、膝裏に手を差し込まれて体が宙に浮いた。えっ?と思った時には、90度右を向いていて、下からジャスティンが覗き込んでいる。
「背中じゃなくて顔が見たい」
「やっ、見んなバカ!」
じたばたと足を振り両腕で顔を覆ってみても、あっけなく取り押さえられてしまい、顎を掴まれてジャスティンの方を向かされる。
今までに見た事のない、雄の顔をしたジャスティンがいて、思わず息を飲んだ。
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