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覚悟がなきゃ、今ここにいねえよ
「嫌な事はしない、気持ちイイ事だけ」
「…ほんとに?」
「……………………………ああ」
「いやその沈黙なんだよ」
真剣な顔で見つめてきた。きっと言ってる事は本気なんだと思う。
こいつは優しい。この状況でも俺が嫌だと言えばキスすらしないだろう。けど、それだけ我慢してるのも確かで。男にとってそれは多分辛い、よなあ…
「…ごめん」
「それは何に対して?」
「だって…俺、やっぱ怖い、し…んっ」
顎を掴まれたままだったから、そのまま唇を塞がれた。最初は重ねるだけ。だんだんと深くなって、舌を絡めて吸い取られる。
ぬるりとした感触に咥内を犯されながら、熱が上がっていくのがわかった。
「んっ、は…あ、」
「ゆっくりでいい、楽しみが増える」
「…なに、が、」
「オレ好みに仕上げる楽しみ」
まるで継みたいににやりと笑ったその顔が、何か良からぬ事を考えてるのは確実だったけど、そうなりたいと望む自分もいて。
男同士でどうするのかは、二人に聞いて知っていた。最初はすげえ痛いって事も。
で、その人達によっては、挿入しない人達もいるらしい。まあ口で抜いたり、手で抜いたり。
ようは人それぞれで。
最終的には、ジャスティンと一つになりたいとは思ってる。ただ、それは今じゃない。
「いつか、オレが欲しくなるまでは待つから」
「…ん、サンキュ」
いつか。
それはいつになるかわかんねえけど、それまでは確実に俺といてくれるって自惚れていいんだよな?
まあ、そう遠くない気がする。
男同士で付き合う事がどんだけ大変な事か、すぐ近くで見てきたからよくわかってる。まあ、あいつらは大変だなんて微塵も感じてないだろうけど、一緒にいる俺はハラハラするような事ばっかだ。
けど、俺だって、そんだけの覚悟があって今こうやって素っ裸で風呂場で抱き合ってんだ。日本男児なめんなよ?
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