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第3話
顔馴染みになって受付でもめることがなくなった頃、隆一さんが青い顔をして訪れた。
いつものように「HELLO」とも言わずベッドに倒れこんだ。すぐに寝息をたて始めたので毛布をかけてあげた。時間いっぱい寝て起きた隆一さんの顔色は少しだけ良くなっていた。
「なあ」
部屋を出る前に隆一さんが言った。
「面倒をかけるから、もう来ないよ」
僕は「ふうん」と返事をした。隆一さんは「じゃあね」と言って部屋を出て行った。
僕は挨拶を返さなかった。
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