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──夏祭り当日(夜)
寝れないと思ったら案の定寝れなくって、眠りについたころには空が薄明るくなっていた頃だと思う。
おかげで今日はお昼すぎに起きてしまった。
んで、俺は今柚葉を待っている。
学校の近くの少し大きめな神社でやる、この街で一番大きな夏祭り。
毎年賑わっている。
今まで夏祭りなんて、そのへんの女の子に誘われてテキトーに楽しんで、テキトーに帰ってきてたけど、今日は違う。
待ち合わせより10分早くついてしまった。
俺の横を通り過ぎて行く浴衣の美人さんや、家族連れには目もくれず、ただこれから来る柚葉のことを考えていた。
中学の時に1回だけ
……1回だけここよりも小さな祭りだったが、
一緒に行ったことがあった。
今よりもどこかぎこちなかったけど、楽しかった。
楽しかったな……
「朱寧」
そんな過去に更けていると、俺を呼ぶ声がした。
大好きな……声。
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