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食べ終わり、そろそろ移動しようと思っていると遠くから小走りしてくる浴衣の人がいた。 誰だ?と思って、足を止めていると…… 「朱寧くん!!」 そう呼ばれてみるとそこにはその浴衣の女が。 「誰?」 身に覚えがなくってそう尋ねると、女は俺の腕に自分の体をピタッとくっつけ、甘えるような仕草で声を出す。 「えぇ〜覚えてないのぉ?前に一緒にカラオケ行ったじゃん!!歌ったじゃん」 「え……そうだっけ?」 「んまぁ、覚えてなくてもいっか!これからちょっとでいいから一緒に屋台回ろ?」 ……めんどくさいことになった。 柚葉は少し先を歩いていたから、俺が止まって絡まれていることには気づいていない。 気づかれたら柚葉といられなくなる…… それだけは嫌だ。 なのに。

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