31 / 47
『─冬─』
──冬。
病院はつまらない。
集中治療はしないため、ただベットにいる……そんな毎日を1ヶ月過ごした。
12月になっており、明日はクリスマスイブだった。
俺は余命より長く生きる方だったらしく、余命より1週間長く生きている。
たった1週間……されど1週間だ。
医者もあまりにも俺の覇気が無いのを気にしてか、明日1日だけ気分転換に外出を許してくれた。
柚葉とは1ヶ月あっていない。
連絡もとっていない。
何も説明せずに別れてきた。
悔いがあるとするならば、柚葉に別れを言えなかったことくらいだ。
俺が弱いから別れを言えなかった
……それだけ。
病院の窓から月が見える。
もう、何もかも綺麗とは思えない。
柚葉がいなければ、俺の世界に色はつかない。
寝ても起きても柚葉の事ばかり考えている。
ともだちにシェアしよう!