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『─冬─』

──冬。 病院はつまらない。 集中治療はしないため、ただベットにいる……そんな毎日を1ヶ月過ごした。 12月になっており、明日はクリスマスイブだった。 俺は余命より長く生きる方だったらしく、余命より1週間長く生きている。 たった1週間……されど1週間だ。 医者もあまりにも俺の覇気が無いのを気にしてか、明日1日だけ気分転換に外出を許してくれた。 柚葉とは1ヶ月あっていない。 連絡もとっていない。 何も説明せずに別れてきた。 悔いがあるとするならば、柚葉に別れを言えなかったことくらいだ。 俺が弱いから別れを言えなかった ……それだけ。 病院の窓から月が見える。 もう、何もかも綺麗とは思えない。 柚葉がいなければ、俺の世界に色はつかない。 寝ても起きても柚葉の事ばかり考えている。

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